ここでは,アメリカ卓球協会 (USATT) で行われているレイティング・システム (Rating System) について説明します.
レイティング・システムとは,各選手 (試合参加者全員) に与えられた点数 (レイティング・ポイント) に基づいて,実力に応じて公平に全員が試合を楽しめるように考えられたものです.
アメリカ卓球協会では,各州の小さな試合からUSオープンやナショナルチャンピオンシップと言った大きな試合に至るまで,このレイティング・ポイントに基づいて試合が構成されています.
試合の基本的な考え方は次の通りです.
- それぞれの州の各試合では,レイティングポイントによって選手をレベルごとのグループに分割し,各グループ内でシングル,ダブルスの試合を開催します.
- 各選手は自分のレイティングポイントが含まれているグループに参加します.ただし,希望すれば自分のレイティングポイントより高いグループにも参加できますが,低いグループには参加できません.
- レイティングポイントを持っていない人は,未レイティング試合に参加するか,暫定レイティングポイントとして1800点をもらい,通常の試合に参加します.
- 一戦ごとの結果からレイティングポイントが計算され,数日間に渡る全試合が終了した時点で自分のレイティングポイントが変更されます.
- 各州の試合結果から変更されたレイティングポイントは全米でも通用します.各選手のレイティングポイントはアメリカ卓球協会のインターネットホームページ
(http://www.usatt.org/),および,アメリカ卓球協会発刊の月刊紙
(TABLE TENNIS) で発表されます.
- 各州の小さい試合だけでなく全米クラスの大きな試合でも,このレイティングポイントに基づいて試合が開催されます.
例えば,マサチューセッツ州のある試合では,次のような試合形式 (グループ) があります.
- オープン・シングル (トーナメント戦)
- 女子シングル (トーナメント戦)
- ジュニアシングル (トーナメント戦)
- シニアシングル (トーナメント戦)
- レイティングポイント2000以下・シングル (トーナメント戦)
- レイティングポイント1700以下・シングル (トーナメント戦)
- レイティングポイント1400以下・シングル (トーナメント戦)
- レイティングポイント1000以下・シングル (トーナメント戦)
- レイティングポイント1800以上・シングル (リーグ戦)
- ハンディキャップ・シングル
- 未レイティング・シングル (トーナメント戦)
- レイティングポイント3800以下 (2人の合計) ・ダブルス (トーナメント戦)
- レイティングポイント2600以下 (2人の合計) ・ダブルス (トーナメント戦)
レイティングポイントの計算方法は次の通りです.
- 各試合ごとに,次の表に従って相手との勝敗により自分と相手のレイティングポイントを変更します.
| ポイント差 | ポイントの高い選手が勝った場合 | ポイントの低い選手が勝った場合 |
| 0 - 12 | 8 | 8 |
| 13 - 37 | 7 | 10 |
| 38 - 62 | 6 | 13 |
| 63 - 87 | 5 | 16 |
| 88 - 112 | 4 | 20 |
| 113 - 137 | 3 | 25 |
| 138 - 162 | 2 | 30 |
| 163 - 187 | 2 | 35 |
| 188 - 212 | 1 | 40 |
| 213 - 237 | 1 | 45 |
| 238 以上 | 0 | 50 |
- 例えば,選手A (レイティングポイントが1814) が選手B (レイティングポイントが1800) に勝った場合,選手Aは7ポイントを得て1821点になり,選手Bは7ポイントを失い1793点になります.
- 全試合が終了した時点で,自分のレイティングポイントの増減が50点以下の場合には,レイティングの変更は行いません.50点以上75点以下の増減がある場合には,そのまま上記の表に基づいてレイティングポイントを変更します.75点以上の増減がある場合には,次の式を用いてレイティングポイントを変更します.
-
- レイティングポイント = ( BestWin + WorstLoss ) / 4 + (Result_1) / 2
-
- BestWin = 打ち負かした相手選手中の最も高いレイティングポイント
- WorstLoss = 負けた試合での相手選手中の最も低いレイティングポイント
- Result_1 = 上記のレイティング表から得られた新しいレイティングポイント
- レイティングポイントを持っていない選手には,初期レイティングポイントを全試合の勝敗結果から決定する次の式があります.
-
- 初期レイティングポイント = ( BestWin + WorstLoss ) / 2
-
- BestWin = 打ち負かした相手選手中の最も高いレイティングポイント
- WorstLoss = 負けた試合での相手選手中の最も低いレイティングポイント
- 同時に,レイティングポイントを持っていない選手には,その対戦結果の確信度も計算します.
-
- 確信度 = 100.0 - ( ( BestWin - WorstLoss
) / 20.0 )
-
- BestWin = 打ち負かした相手選手中の最も高いレイティングポイント
- WorstLoss = 負けた試合での相手選手中の最も低いレイティングポイント
- 確信度が96%以上の場合には,初期レイティングポイントを採用します.95%以下の場合には,対戦結果を考慮して判断します.75%以下の場合には,初期レイティングポイントは0となります.
- 州によっては,レイティングポイントを持っていない選手に対して,それぞれの別表に基づき計算する場合もあります.
- 全試合中にレイティングポイントを持っていない選手と対戦したレイティングポイントを持っている選手は,レイティングポイントを持っていない選手の初期レイティングポイントが確定した後に,1.の計算を再度行います.
- レイティングポイントを持っていない選手と対戦したレイティングポイントを持っている選手の全試合が終了した時点で,1.の結果のレイティングポイントの増減が50点以下の場合には,レイティングの変更は行いません.50点以上75点以下の増減がある場合には,そのままレイティング表に基づいてレイティングポイントを変更します.75点以上の増減がある場合には,次の式を用いてレイティングポイントを変更します.
-
- レイティングポイント = ( BestWin + WorstLoss ) / 4 + ( Result_1 ) / 2
-
- BestWin = 打ち負かした相手選手中の最も高いレイティングポイント
- WorstLoss = 負けた試合での相手選手中の最も低いレイティングポイント
- Result_1 = 上記のレイティング表から得られた新しいレイティングポイント
- 全試合が終了し全選手のレイティングポイントの計算が終了した時点で,全選手のレイティングポイントの結果がアメリカ卓球協会に報告され,実際に,レイティングポイントが変更される.
詳しいことを知りたい方は,http://www.davidmarcus.com/USATTRatings.html を参照してください.
以上
林 勲
ihaya@pingpongfan.net
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